米国調査第24回です。今回は、ホスピス医療・緩和ケアを行っている、NHPCO( National Hospice and Palliative Care Organization )でのインタビューです。副代表のコナーさんのお話の続きです。
私たちが重点を置いているのは、ホスピスへのアクセスがまだ十分とはいえないので、アクセスを高めることです。また、米国には様々な人種がいるので、特定の人々に偏らないように、平等を重んじています。また、終末期と言っても大人だけでなく子供の場合もあるので、子供がアクセスしやすいように配慮をしたり、身体障碍や精神障碍の人に対しても配慮をしています。
米国ではホスピスに入る条件は、余命が6ヵ月以内という事ですので、予後の判定は正確に行う必要があります。従って、判定が正確になるように大規模な研究を行います。
ホスピスサービスを受ける上で縛りとなっているのが、緩和ケアを受けるのなら、治療ケアをうけるのをやめるようにというものです。我々としては同意できないところですが。
緩和ケアをおこなっていても、途中で治療を行えばかなりよくなる事はあって、結果として医療費が高くなることはないのですが、政府の方は制限を行います。予算を削ろうとするのは、どこの国でもある事ですが(笑)。
ホスピスは、日本では施設でのケアを指すようですが、米国では在宅ホスピスが多いので、地域的にみるとかなり遠いところまでサービスを行っています。
国際的なプログラムとして、サハラ以南の地域にホスピスを作ろうというプログラムがあり、我々が資金提供を行っています。米国では 1970 年頃から標準化されたホスピスサービスを行っているので、その知識やノウハウをルーマニアやインドなど、他国に提供しています。アフリカの支援については、ダイアナ記念ファンド(英国の故ダイアナ妃の基金)を使って行っています。ほかに、疼痛緩和アフリカ協会と言うのがあり、そこにお金を送りプログラムの協力を行っています。
また、ロバート・ウッド・ジョンソン基金(ジョンソン&ジョンソン社の創始者)というのがあり、その資金も利用しています。
我々の組織を運営するお金を集めるための組織は別にあります。ナショナルホスピス・ギャラ、ナショナルチャリティ、EOL( end of life )センターなどです。
(この項続く)