アメリカで最先端の患者の権利を調査研究してきました(第22回)

米国調査報告の第22回です。NIH( National Institute of Health )の、疼痛緩和ケアサービス部門の Donna L. Pereira さんです。

疼痛緩和ケアの対象は移植の患者も多いのですが、中心となるのは、臨床に関わる治験対象患者の疼痛管理、あるいは、研究中の治療法に関わる患者です。我々の究極的な目的は、患者のQOL(生活の質)を高める事で、そういう面からのアドボケイト(患者の権利擁護の活動)をしています。患者が身体的、精神的、理性的、霊的( spiritual )な意味で安定していて、少しでもよいQOLを保つ事が目的となります。

Pereira さんから説明を受ける

Pereira さんから説明を受ける

そのために、日頃から患者・家族に、治療に関するゴールや、どういう事を達成したいかを聞いておきます。患者や家族によっては、毎日いう事が違う事もあるし変化もします。医師は治療に夢中になっていて、患者や家族のゴールが変わってきた事に気付かない事があります。そういう時に、チームの会議を持って、実は患者はこういう風に思っているんだよという事を話合い、医師と患者の間に入り、患者の意思を医師に伝える役割を果たします。患者や家族は、医師と話をするのは敷居が高いという事もあるので、そういう意味で私たちの役割があるのではないかと考えています。

私たちの仕事は、患者の肉体的、情緒的、霊的な面での患者の全人的な要素としてみるのが私たちの仕事です。レントゲンを取ったり血液検査をしたり、細胞検査をして見て行くのではないという事です。

針(ハリ)をやったり、リラクゼーションをやったり、音楽セラピーやアートセラピー、なども用います。大局挙(タイチ)やハリの専門家をアジアからよんで治療をしてもらっています。これらは霊的な面や情緒的な面でとても効果がありあす。米国は多人種国家なので、東洋医学に取り組む姿勢があります。

患者と医師が対立した時にアドボケイトが役割を発揮しますが、病院からペイをもらっていると結局医師の味方と思われるのではないかという点については、医師や看護師は一つのチームと思われていますが、アドボケイトは別のチームと見られているという事だと思います。患者に対しては、医師にこう聞いたら、こう答えるよ、と教育を行います(上手な聞き方の教育)。だから、医師の味方とは思われないのでしょう。

生命倫理に従って疼痛管理を行う事が重要です。患者に対して優しい心をもっていれば、結果はよくなり、患者に便益がもたらされます。

(この項、終わり)