アメリカで最先端の患者の権利を調査研究してきました(第19回)

米国調査報告の第19回です。ノースウエストセンター( Northwest Health Care Center )所長の Joyce D. Jones さんのお話です。

注: skilled nursing facility :亜急性期から慢性期にかけてのケア施設。看護師・リハビリスタッフ・栄養士によるサービスが提供される。実際の役割とイメージで言うと、一般病院の慢性期病床+老人保健施設+回復期リハビリテーション病棟+ホスピスケア。しいて訳せば「高度看護施設」になるが、ここでは略称のSNFと表記する。因みに、米国には長期ケアのシステムがない。

この施設が出来てから 30 年になります。DCでは一番大きいSNF( Skilled Nursing Facility )です。現在常時使用しているのは 341 床です。最近 34 床のアルツハイマー・ユニットを開設しました。近くの病院で3~4日いてこちらに移って来た人は、まず評価を受けてからユニットに回すことになります。

ジョーンズ所長との懇談

ジョーンズ所長との懇談

患者の権利に関してという事ですが、ここでは、入居者の権利ということになります。入居者の権利は、入居した時から始まります。入居者本人とご家族に、入居者の権利について説明します。

特に大事にしているのは、初めて施設に入る時には不安になりますから、まったく知らない環境に来るので安心できるように、「施設」であってもちゃんと権利があって生活が出来ると言うことを自覚して頂く。

それを知らせるために、入居者の権利を大変丁寧に説明します。パンフレットを手渡し、入居にあたっての同意書にも入居者の権利が書いてあり、必ずそこを読んでもらいます。

お部屋に入る時に、自分好みの服や好みの家具を持ち込む権利がある事、また快適に過ごしてもらうための説明を行います。医学的な記録についても見ることが出来るという事や、今後のケアをどうするか、医療行為についても必要がどうかなど、「事前指示」( advance directive )に明記する事など、入居者の権利について十分に説明します。

権利の一環として担当医を選ぶ権利もあるし、財務的な面でも自分でやったり人にたのんだり自分で決定する権利もあります。食事や運動、衣服の好みやレジャー活動についても自己決定できます。一方、こちらのほうで、こういった好みがあるのではないか、といった見極めもやっています。

ここに働いているスタッフもトレーニングの一環として、利用者の権利についての内容を含んだ3日間のトレーニングを行います。オリエンテーションの中でも権利を重視しています。

(次回に続く)

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