医療チームの紹介

栄養サポートチーム:NST

NST(Nutrition Support Team)は、入院患者様の栄養管理を担当する栄養サポートチームです。2005年の12月にチームが発足し、来年で活動20周年を迎えます。

医師、看護師、管理栄養士、セラピスト、薬剤師、検査技師など他職種が参加しています。

栄養はすべての治療の基本であり、「栄養が不要な患者様はいない」という思いで、月2回のカンファレンスと月1回の会議を行うとともに、年1~2回学習会を実施して、みんなで学び、話し合えるチーム運営をしています。

最近では、入院患者様の高齢化によりサルコペニアという筋肉不足の状態の方やフレイルという虚弱をいう状態にある方が多く見られ、口から食べたくても食べられない方も多いです。

しかし、そんな時でもチーム内で患者様にとってよりよい状態は何かを一緒に話し合い、その話し合いを主治医や病棟スタッフに伝えることで、患者様の入院生活をサポートしています。

緩和ケアチーム

緩和ケアとは、重い病を持つ患者様やご家族のからだの苦しみ、こころの苦しみ、社会的な苦しみ、スピリチュアルペインを和らげ、その人らしい生活が送れるよう支援することです。

緩和ケアチームは、主にがん疾患を持つ患者様とご家族を対象に、医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、栄養士、リハビリテーションスタッフが協同し、苦しみを和らげその人らしい生活が送れるように支援するチームです。

当院では定期的に外来や訪問診療科、訪問看護ステーションのスタッフとカンファレンスを行い、患者様やご家族が過ごしたい環境や必要とする環境で生活ができるために話し合っています。

支援の対象者は、患者様やご家族だけではありません。実際に直接診察に当たっている医療従事者も対象です。患者様とご家族ではなく医療従事者の困ったことの相談にのっています。

いつでも困ったことがあれば、相談してください。

感染制御チーム:ICT

ICT( Infection Control Team)は、医師、感染管理認定看護師、臨床検査技師、薬剤師の4名で構成されています。私たちの役割は患者さんや職員、院内に出入りする面会者や業者の方、その全ての対象者を感染症の脅威から守ることです。

主な活動は次の4つです。
  1. 院内ラウンドを行い感染対策についての助言を行う
  2. 患者さんから検出される微生物の傾向を把握し、感染拡大の傾向を早期に把握する
  3. 抗菌薬が適切に使用されているか監視し、主治医等へ助言を行う
  4. 全ての職員を対象に感染対策教育を実施する

感染症というと新型コロナウイルス感染症が思い浮かぶ方が多いと思いますが、病院で気をつけなければならない感染症は無数にあります。目に見えない微生物を相手に組織力で戦うのが感染管理の世界です。それぞれの職種の専門性を尊重し、患者さんにとって安心して受診できる病院、職員にとって安心して働くことができる病院を目指し、今日も活動しています。

認知症ケアチーム

当院の認知症ケアチームは医師1名、セラピスト1名、3つの病棟・外来部門の9名の看護師で構成されています。月1回の委員会を開催し、学習会の計画や各部署で認知症患者様の対応で困った事例をチームで検討し、対応について話し合います。

夜間せん妄や不眠などで薬剤調整が必要ではないかと感じた時には、チーム医に相談し薬剤調整を行ってもらうこともあります。患者様自身が自分のADLに対しての認識が不十分なために転倒を繰り返すようであれば、セラピストに相談し病室のレイアウトの調整も行います。

毎年、認知症ケアで「学びを深めたいこと」をチームや他のスタッフより意見を集め、チームが中心となり看護部会で学習会を行っています。学びを実践し事例発表を行い、経験や実践したケアをスタッフ間で共有することで、学びはより深まります。認知症患者様への日々のケアがより良くなるように、多職種チームが中心となって頑張っています。

禁煙チーム

禁煙チームは、医師、看護師、事務で構成しており、禁煙外来の運営や学習会、広報活動を行っています。「禁煙したいができない」という患者様の想いに寄り添い、「楽しくがまんしない禁煙を」をモットーに 禁煙外でのサポートを行っています。

禁煙に成功した方には、修了書をお贈りして喜ばれています。

褥瘡対策チーム

褥瘡対策チームは医師、看護師、セラピスト、栄養士で構成されています。チーム会議や回診を通して、褥瘡予防や適切なケアの検討、栄養面のフォロー、ポジショニングの検討などを行っています。

また、褥瘡予防と早期治癒を促すためのケアが実践できるよう、職員の学習・啓蒙活動を行っています。

高齢の入院患者さまが多くなり、入院時に褥瘡を発生している状態も増加しています。その時には適切なケア、マットレスの選定、栄養評価、ポジショニングをケアするスタッフへ共有するなどが入院後速やかに実施され、早期治癒に向かって取り組まれます。

退院時には継続可能なケアの調整と介護者へのケア方法の指導、伝達などケアが継続して実施されるよう引継ぎも行います。

褥瘡が発生すると痛みなどの苦痛や、体調の不良にもつながります。

患者さまや、介護者が安楽に生活できるように、褥瘡予防、早期治癒を目指して、チーム一同専門性を発揮し取り組んでいます。

医療安全委員会

医療安全管理員会は21名の多職種で構成されています。

私たちは、安全性の問題を軽視せず、常に患者の人権を守る立場で日常診療を行っていくために医療安全管理指針のもと活動しています。そして以下の基本姿勢を大切にしています。

  1. 民主的集団医療の確立、明るい職場作りの追及
  2. 安全管理の面から日常業務を点検し、基準化すること
  3. 事故・トラブル報告運動に取り組み、事故防止対策を行う
  4. 職員教育の徹底
  5. 患者様への納得いく説明と理解を得る努力
  6. 第3者が見ても説明がつくカルテ記載,同意書などの整備

また基本姿勢を守るため心理的安全性のある職場づくりに力を入れています。医療安全推進週間には職員に「心理的安全性」という言葉が浸透していくよう様々な取り組みを行ってきました。心理的安全性についての学習会や感謝の言葉を贈り合うきっかけづくりです。

職員の安心・安全は患者様の安心・安全です。これからも誰しもが安心・安全の組織づくりに貢献したいと思います。