NSTニュースNO.39 嚥下障害の患者様を通じて思うこと

今回のニュースでは言語聴覚士が担当させていただいた患者様・家族について紹介をしたいと思います。

患者様は肺炎にて入院され、元々寝たきりであり、息子様が自宅で介護をしている状態でした。リハビリでは患者様の身体機能等の評価を行い、ゴール設定をし、訓練を実施していきます。言語聴覚士も嚥下機能評価を行い、できるだけ経口摂取してもらうよう訓練を実施しました。リハビリ介入して3週間目あたりから3食の経口摂取が可能となりました。次のリハビリでの目標は今後自宅に帰ることを視野に入れ、家族様にも嚥下障害について知っていただき、食事介助方法やトロミのつけ方、口腔ケアの仕方を指導することとなりました。今回、家族様は言語聴覚士というリハビリを初めて知り、嚥下障害についてあまり知識がありませんでした。家族様指導する中で、気づかされたことがあったので紹介したいと思います。

一つは嚥下障害についてのパンフレットをお渡しし、説明をさせていただきましたが、その中で私たち医療者の中ではよく使う語句が伝わっていなかったこと。二つ目はトロミの付け方などは説明だけでは理解してもらえないこと。三つ目はトロミや嚥下食についての説明だけでは在宅に退院するとき不安が生じてしまうことなどの点が見えてきました。

今回、家族様と一緒にトロミ剤使用してトロミ水を作ったり、在宅に退院する時と同じような食事形態やスケジュールを試みたりしました。実際に一緒に行うことで家族様が疑問に思っていたことが解決することができたり、リハビリとしてもどのように介入して、指導していけばよいかなどの糸口になることに気づかされました。

在宅のみならず、施設などの退院先でも継続して経口摂取できるように介入していきたいと思いました。

言語聴覚士 浅野由美

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