アメリカで最先端の患者の権利を調査研究してきました(第33回)

米国調査第33回です。 Northwest Health Care Center の市原さんです。

メディケイドは州によって違いますが、DCにはメディケイドが2種類あり、一人当たりいくらで支払われます。集中的にリハビリをやると、例えばPT、ST、OTが各1時間ずつ関与すると、簡単に点数を超えてしまうので、それ以上の治療は実際的には持ち出しになります。しかし、施設の中では予算が組まれているので、その中で考えて下さいという事になります。私たちは経済的な理由で患者を切り捨てる事はしません。しかし、回数を減らすとか、少し早目にリハビリテーション施設に移ってもらって、機能の維持を図ってもらうという事はあります。

リンカーン記念館から、ワシントン記念塔を望む (また、集合写真………)

リンカーン記念館から、ワシントン記念塔を望む
(また、集合写真………)

65 才以上の高齢者と、 40 才以上で例えば、血液透析している方や、日本で言う障害認定を受けている人は、若くてもメディケアかメディケイドが使えます。急性期の後であれば SNF や、若年で機能予後がよいようならリハビリテーション病院に移り、そこで集中的なリハビリを受けて社会復帰します。在宅ケアが進んでいるので、家庭でもケアが受けられます。長期に保険が使えないというのも理由ですが、家庭でも、医師の指示で、看護師が看護と介護と簡単な医療が出来ますし、ピック(PICK、血管内にあらかじめ管を入れておき、皮膚を刺すだけで点滴が可能)を使用するので簡単に点滴ができます。

ここは施設からリエゾン・オフィサーを病院に派遣しますが、いわば御用聞きで、退院近い患者がいますかと、患者を発掘する訳です。提携病院ではなくても、病院から連絡が来る事もあります。病院にもソーシャル・ワーカーがいて、患者や家族と面接して退院後の方針を相談します。知っている施設があれば、リエゾンに連絡します。行き先の希望がなかったり知らない場合は、ソーシャル・ワーカーが医師と相談して判断し、長期ケアが必要なら、ベッドの空いている施設を探し、ケアの内容はどうかなどを調べます。ここなら透析施設が併設されているので、通院の必用はないし、そういった医療ニーズを把握して判断します。連絡があれば、リエゾンが行って医療ニーズを判断する訳です。

ここは黒字です。全米で最大規模の長期療養施設を持って、高齢者ケアを行っています。SNFと、セラピスト派遣会社と、ホスピスケアも行っています。ホスピスに移行すると医療は制限されるので、ケアの内容について説明します。ホスピスケアに移行したら今のスタッフは引き上げて、ホスピスケアのナースがここに来て、サービスを行います。 24 時間対応で、急変時にも対応できます。

(次回に続く)

ビバリーとイージスのHPアドレスです。興味が有ればごらん下さい。

http://www.beverlyhealthcare.com/BeverlyHealthcare/

http://www.aegistherapies.com/AEGIS/Site+Map.htm