アメリカで最先端の患者の権利を調査研究してきました(第15回)

米国調査報告第15回、 Ann Neale さんのお話です。

ビジネスパートナーとしての組織という点では、仕入れ先にちゃんと期限を守って支払っているか(笑)。悪い経営者の中には、支払いを遅らせてその間に金利を稼ごうとする事もあるのです。仕入れ先と価値観を share する、同じ様な価値観を持った仕入れ先とビジネスを行う事が大事です。ビジネスパートナーの中に弁護士と言うのもありますが、病院職員の労働組合に対して、病院としては労働組合の権利を尊重しているのに、法律家が組合をつぶしてしまえというのであれば、そういう弁護士は雇う訳にはいきません。パートナーを組む時には、医療行為をやるのだと言うことを忘れてはいけません。金もうけのためにパートナーを組むのではないのです。

もう一つは、企業市民としての観点です。医療のための資源は自分たちだけのものではなく、コミュニティーにおける資源であると考える必要があります。環境の面でも責任がある訳で、沢山廃棄物がでて近所の子供に喘息が出るのであれば、法律的に求められていなくても、何かしらの方策をする責任があります。これは企業市民としての責任です。

ジョージタウン大学構内

ジョージタウン大学構内

もう一つ重要な事は、何のために医療を行っているのか、組織としての理念( mission statement )を明らかにする事です。例えば、この病院は質の高い医療サービスを行います、あるいはコミュニティーの健康のために努めますといった事です。 mission というのは宗教的な用語ですが、宗教に関係ない病院でも必要です。我々はこういう事をやりたい、やります、という内容を明確にするべきなのです。

この理念は、職員が「私は何をすればいいのか」と考える時に、「私が所属する組織はこういったミッションを持っている。

その中で、従業員として、あるいは、 caregiver として何をやるかという事を掲げているから、それに従って仕事を行うのだ」という事が明らかになる訳です。

組織がモラルを高めていくような事をしていれば、そこで働く職員もモラルを高めていく。その逆に、外側に対しては、組織は個人や医療スタッフよりももっと力があるので、その力を持って、社会に働き掛けを行い、影響を与える大きな力を持っている。だから、先ほどの図に示した、真中にある組織は大事なのです。

ですから、「倫理」が大事になるのです。組織が倫理的にきちんと物事をやっていけば、個人のモラル意識も高まっていくという事で、とても大事なのです。

( Ann Neale さんの項は終わり。次回からは、弁護士の方のお話です)

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